Vol.014「僕はサッカーを強制的に奪われた」

【名前】杉山 天真
【経歴】奈良県出身 1998.6.26 生まれ
2016年 ガンバ大阪ユース時代にJ3リーグ出場 
2020年 関西学院大学体育会サッカー部主将 
2021年 (株)FC淡路島ゼネラルマネージャー 
2022年 (株)Arxcs創業


2022年1月よりArxcsを正式にリリースしました。僕がArxcsを創ったきっかけは色々ありますが、一番は関西学院大学サッカー部でもがき苦しんだ経験からでした。

それは大学2年生の頃です。およそ8ヶ月の長期離脱を経験することになったんです。過去にも怪我の経験はあったので、そこまでメンタルがやられることはないと思っていましたが、流石に8ヶ月もサッカーから離れると、次第に選手としての自信もなくなり、無気力な状態になっていきました。

そんな怪我の期間、「このままサッカーができなくなるかもしれない。復帰したとしてもパフォーマンスが戻るか分からない。」と、そんな不安に毎日1人で葛藤していました。

そして、強制的にサッカーを奪われ、日常に退屈を覚え始めた頃に、「これが引退した人生なのか。」そんな感覚になったことを覚えています。

そこから、サッカー選手を引退した30歳以降の70年をどう生きるべきか、毎日毎日考える日々が始まりました。

なんとなく生きることへの恐怖

もともと、ガンバ大阪ユースに所属していたこともあり、同期や先輩・後輩には、今でもプロの世界で活躍している選手たちがほとんどです。僕自身も高校3年生の頃に二種登録してもらい、J3の舞台も経験させていただきました。

しかし、そんな僕は大学で怪我という大きな挫折を経験し、本気で人生と向き合うことになったわけです。そして、自分からサッカーを無くしたら何が残るのか、新たな人生を想像し始めたんです。

毎日、「30歳でどんな大人になっていたいのだろうか。」そんなことを考えていると、自然と、サッカーがこれまでの僕に与えてくれていた価値にも気づき始めることができるようになりました。

周りの人に認められる贅沢さ。チームで勝った時の興奮。負けた時の悔しい感情。常に日常には興奮と閃きで溢れていました。

そして、サッカーを引退した先の人生でも、常に自分自身を興奮させ、新しい経験や出会いを求め続けていたいと思うようになりました。そうしないと、正直生きていても意味がないとまで思うようになったんです。

授業もある、友達もいる、部活にも顔を出す。サッカーをプレーする以外、何も変わらない日常なのに、これだけの退屈さを経験すると、なんとなく生きる人生に恐怖すら感じるようになっていきました。

常に”今”の自分に興奮し、本気で挑戦したいことに自分が持てるリソースをフルベットできる大人でありたい。

学生だった頃、当たり前の日常がなくなり、誰にも相談できずに、ただただ毎日が過ぎ去る日々でした。それがきっかけで、10年後の理想の状態を描き始めることになり、少しずつ見えてくるものがありました。

『常に”今”の自分に興奮し、本気で挑戦したいことに自分が持てるリソースをフルベットできる大人でありたい。』

しかし、そんな大人に当然出会ったことなんてありませんでしたし、どうすればサッカー以外で自分が本気で挑戦したいと思えるものに出会えるのかすらも、当時の僕には分かりませんでした。

そんな当時の僕は、次第に本屋へ足繁く通うようになったんです。「世の中はどうなっているのか。どんな大人たちが居るのだろうか。」知らない世界への探究心に火がつき始めていました。

練習が終わって本屋へ行き、その本屋が薦めている本を手に取っては読み、タイトルに惹かれた本の前に立ち止まってはページをめくり、とにかく理想とする生き方をしている人たちを探していました。すると次第に、手にしていた本や著者の共通するポイントがわかるようになったのです。

そこからようやく、サッカー選手としてのキャリアとそれ以外でワクワクするキャリアを並べ、サッカー選手というキャリアカードを捨てようと決断できました。

Arxcsには可能性がある

さて、Arxcsには無限の可能性が眠っています。

それは体育会学生にとっても、日本社会にとっても言えることです。

Arxcsが掲げるビジョンは、

「スポーツに魅了された人々に新たな選択肢を」です。

しかし、私を含めたスポーツに魅了された人間にとって、新たに情熱をぶつける矛先を見つけ、「自分軸」の意思で歩めるほど、現代社会を生き抜くことは容易ではありません。

情報革命によって取り残されてしまった日本経済。そして、企業の終身雇用の崩壊だけでなく、コロナ禍に伴いファーストキャリア依存からの脱却を図る若者。複業が当たり前となり、自主的に学び続けることができる人材が飛躍する時代への突入。

もう、我々の当たり前は当たり前ではなくなっています。正しい解答を導き出せることに価値はなく、不確実な未来を自らで正解にしていく時代です。誰かに頼っていては、その誰かとともに沈んでいってしまいます。

だからこそ、スポーツ界にも”タテの情報”だけではなく、”ヨコの繋がりと学び合い”が大切であると考えます。

我々は、スポーツ業界に根強い”タテ社会”にメスを入れ、「部活」と「学び」を循環させながら、閉鎖的なスポーツ人材を中心に思考をアップデートさせていきます。

そして、スポーツに魅了された人々が、生涯通じて興奮する人生と出会い、自らの意思で人生を歩める人々で日本を溢れさせます。

是非、Arxcsと一緒に興奮する景色を見つけませんか?

代表取締役社長
杉山 天真

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