【名前】佐藤慧一
【経歴】早稲田実業学校高等部→早稲田大学ア式蹴球部
【部内での役割】マネージャー
高校時代について
ーなぜ高校でプレーヤーを引退する決断をしましたか?
そうですね。
僕自身は、中学生から早稲田実業で、高校生の頃はプレーヤーとして活動していました。
しかし、Bチームだったこともあり、選手としての限界は感じていました。
大学サッカーは、プロを目指す集団であり、僕自身が選手として続けた時に、身体的にも精神的にも難しいのではと判断しました。
ー大学に進学し、マネージャーとして入部した理由を教えてください。
理由は大きく2つあります。
まず1つ目は、早慶戦でした。
高校は系列高校なので、3年間招待してもらっていました。
毎年早慶戦を見ているうちに、ピッチに立っている選手をすごく羨ましく思いましたし、学生規模とは思えない雰囲気に憧れを持つようになっていきました。
その体験があり、大学で携わってみたいと思うようになりました。
そして2つ目は、友人の応援でした。
僕は12月に引退したので、残りの期間に早実のバレー部の春高を見にいく機会がありました。
もともとバレー部のマネージャーが友人だったこともありましたが、実際に応援に行き、友人がマネージャーで戦っている姿を見て、素直にかっこいいなと思いました。
この時に、マネージャーという立場で、全国の舞台で戦うことや日本一を目指すことに興味を持ち、ア式蹴球部に入部する決断をしました。
大学サッカーについて
ー入部してギャップは感じましたか?
良い面と難しい面がありました。
良い面としては、自分次第ではなんでもできるということです。
自分のアイデアを形にできるということが面白いと感じていて、ピッチ外での活躍できる場所があります。
高校までは、先生の言うことをただ守って生活していました。これが悪いとかではなくて、自分の発想でチームを変えるということはできませんでした。
大学は自由ですが、主体性が求められる環境だからこそ、自分が想像していた以上に、自ら価値を生み出していかないといけないと実感しています。
一方のギャップとしては、僕が入学した年は2年前なので、ちょうどコロナ1年目だったことです。
早慶戦も毎年7月にあったのが12月に流れることになりましたし、マネージャーとしても自分で動かないと、ただ事務作業だけやっているだけになってしまっていました。
1年の初めの頃は、「このままだと組織の中で埋もれてしまうな」と感じ、自分自身の価値の作り方に難しさを感じました。
ーア式蹴球部、大学スポーツの魅力を教えてください。
ア式に限らず大学スポーツの魅力は、多種多様な背景を持つ人が集まる場所であるということです。
僕自身は、早実で中高6年間過ごしてきたので、周りの仲間と当然仲良くはなりましたが、ある意味で偏った価値観にしか触れてきませんでした。
ア式蹴球部に入ると、自分と文化が違う人たちが多くいて、考えていることや過去の経験が全く違い、初めはとにかく違和感でした。
ただ、そこでのコミュニケーションが発展すると、ビジョンにもある「日本をリードする存在になる」というものに近づけるのだと今では思います。
ア式に入らずに、サークルとかバイトとか、これまで一緒にいた友達といるままだと、見えない景色だったと思います。
また昨年、中京大学と早稲田ア式のスタッフが5日間、交換インターンを行いました。
ア式からは、監督からの指名もあり僕が行くことになり、その経験では環境の違いを感じ、また新鮮な体験ができました。
この経験の中で感じたことは、ア式はスタッフが多いので、同じ時間にスタッフが5人ほどが通常ですが、中京では1人くらいで、やれることが限られていて驚きました。
この経験では、カルチャーショックもありましたが、外に出てみることで環境のありがたみや、まだまだやれることがあるなと感じさせられましたね。
これからについて
ー残りの大学サッカーで挑戦したいことを教えてください。
一番は日本一になることです。
なので、チームを勝たせられるマネージャーになりたいですね。
僕は、選手のように得点を取ることはできないので、日々の練習作りやピッチ外での貢献を形にしていきたいです。
具体的にはスポンサー活動などにも力を入れていて、資金的な面でもチーム力向上につながるので、挑戦していきたいです。
ただ資金をもらうだけではなく、社会貢献活動として地域の活動やスポーツイベントを共同で開催することもアイデアとしてあると思っています。
ー卒業後のビジョンがあれば教えてください。
僕自身、大きな夢はスポーツに携わり続けることです。
スポーツは、「明日を生きる活力」を与えてくれるものだと思います。
社会人になってからもスポーツを通じて、「明日も頑張ろう」と思ってもらえるような大きな舞台を作りたいです。
そして、残りの学生生活では、3年間の集大成として、来年の早慶戦を新国立を目指したいと思っています。
僕が初めて見た早慶戦は、等々力陸上競技場でした。
しかし、コロナになって集客問題やスポンサー問題もあり、規模が縮小してきてしまっています。
なので、自分の代で大きな舞台を作り上げたいなと思っていますし、この活動を社会で生かしていきたいです。
ー最後に体育会学生にメッセージをお願いします。
僕の立場で偉そうなことは言えないですけど、自分自身にも向けて伝えたいことは、「挑戦し続ける」ということです。
いくらでも言い訳をする余地があって、就活やコロナ、チームが負けている状況など、周りには言い訳が多く転がっています。
ただそこで諦めてしまうと、何も得ることはできないですし、何も成し遂げることはできません。
次のステージに行くためにも、大学スポーツの環境で一歩を踏み出していきたいです。
当然、苦しい時期は必ずあるんですが、周りの監督や同期にも助けを求めながら、挑み続けたいですね。
ー本日はありがとうございました。