Arxcs Magazine Vol.011「目標から逆算した行動を常に取る」

【名前】岩岸宗志
【経歴】星稜高校サッカー部(主将)→同志社大学サッカー部
【役割】主将

大学サッカーに進む決断

ー大学サッカーに進んだ理由を教えてください。

実は高校生の頃、大学サッカーには良い印象を持っていませんでした。

というのも、星稜高校出身なので、高校生の頃は星稜大学のサッカー部と試合をする機会がよくありました。

当時、大学サッカーとの接点は星稜大学だけだったので、言いにくいところはありますが、めっちゃ強いとは感じなかったんですよね。

僕が高校生の頃は、大学サッカーについてはそこまで調べていなかったこともありますし、日本代表で活躍している大学出身選手も今より少なかったと思います。

なので、高卒でプロに行くことを一番に考えていました。

ー同志社大学に進学した理由を教えてください。

毎年、夏頃に大学のセレクションがあると思うのですが、ちょうどそのタイミングで怪我をしていたんですよね。

その時は、周りの同期が大学に練習参加や合格していくのを見ていて、自分に少し自信がなくなっていました。

なので、怪我をしていたことと、自分に少し自信が持てていなかったことで、指定校推薦で大学を探し始めました。

僕の大学選びのポイントは、一年目から試合に出ることでした。

同志社が候補になった理由も、その時に関西一部に昇格しそうで、かつ試合に出れると思ったからです。

親からも文武両道を言われていたので、学業と試合に出ることの2点で、同志社大学に行くことを決断しました。

同志社サッカー部について

ー入部してから、何かギャップはありましたか?

一年目は怪我をしたまま入部することになり、実は1年間ほとんどサッカーできなかったんですよね。

一年目から活躍したいと思って大学サッカーに来たわけなので、同期が試合に出ているのを見て、常に悔しい気持ちを持っていました。

復帰してからも、プレートが入った状態だったので、痛みを我慢しながらプレーをした一年目でしたね。

思い描いていた大学サッカーとは当然ギャップがあり、大学一年目が人生で一番辛い時期でした。

ただ、サポートしてくれていた人たちの存在が大きくて、モチベーションに波はありましたけど、復帰してから「やってやろう」と思っていました。

ー同志社サッカー部の印象はどうでしたか?

入部当初、トップチームは関西二部で勝ててなかったんですよね。

正直、”ヤバいな”と感じて、復帰してからもずっと二部でやり続けないといけないのかとマイナスな想像ばかりしていました。

あとは、高校時代は部員全員が日本一を目指してサッカーに打ち込んでいましたが、大学サッカーになって、部員数も増えますし、選手の温度感もバラバラで結構衝撃的でした。

なのでサッカーのレベルと部の雰囲気には、当時少し不安はありました。

大学サッカーについて

ー3年間経験してきて、成長できた部分を教えてください。

大学で得たことは、人に対する接し方だと思います。

高校の頃は、ほとんど自分と同じ考えのメンバーだったので、常に同じ接し方でモチベーションを高めることができていました。

しかし、大学サッカーになると、一番下のカテゴリーからのスタートだったこともあり、サッカーより勉強が大事と考える選手たちとも練習をして、自分との考えの違いに驚きました。

実際に復帰したすぐの時は、強度の低さにBチームの先輩たちと意見でぶつかった経験があります。

ただそれが、逆効果で失敗しましたね。

Aチームの選手とCチームの選手とでは、接し方は当然変わってきますし、自分の思いを組織に伝えようと思えば、言葉の表現も違ってきます。

多くの価値観に触れるようになって、人との関わり方が一番変わったと思います。

ー主将として、意識していることはありますか?

それこそ、下級生の時の経験が生きていて、同期に求めることと後輩に求めることも当然分けています。

下級生の力は本当に大事で、下級生への接し方もこだわっていますし、日々の選手の表情や調子を観察しながら、声をかけていますね。

一年目から学年リーダーをやってきましたが、下級生の時から主将をやるくらいの気持ちでやってきました。

自分の代では当然主将をするつもりでいたので、日頃の行動で部員との信頼関係を築いて、自分がやりやすいような状態で、最高学年を迎えられるようには意識していました。

あとは、下級生との時間を増やしていて、これから組織を引っ張ってくれそうな選手には、自分の考えを伝えていて、当事者意識を持てるようにしていきたいと考えています。

これからについて

ー今シーズンの意気込みを聞かせてください。

今年のチームの目標は、全国出場です。

なぜ、全国出場なのかというと、3年間同志社で活動して、まだ全国大会の経験がないんですよね。

なので、同志社サッカー部として、今後日本一を目指せる組織になるために、何としてでも達成したいです。

今年基盤を作って、この目標を自分たちの代で実現させないと、これからの同志社サッカー部の未来もかかっている覚悟で、責任感を持って戦っています。

昨年、一部で5位という好成績を出すことができました。

しかし危機感はあります。なので、同志社が結果を出し続ける組織になるために、自分たちを見つめ直して、一つ一つの積み重ねを大事にする文化を作りたいと思っています。

そうしないと、これまでの同志社に戻ってしまうと思うので。

ー卒業後のキャリアについても聞かせてください。

プロサッカー選手になりたいと考えています。

正直、まだ練習参加の声もかかっていませんし、難しいことは理解しています。

なので、前期は個人としても結果を意識して、プレーしたいと思っていますし、プロになってどう活躍するのかまでイメージして、毎日の練習に取り組みたいです。

高校の時に大怪我を経験して、それでもここまで来れたのは、支えてくれた人達がいたからです。

プロになって活躍する喜びは、自分だけの喜びだけではありません。

その人達のためにも、プロは目指し続けたいと思います。

ー最後に、体育会学生に向けて伝えたいことはありますか?

目標から逆算した行動を常に取るということです。

そうすることで、その行動に対する意味づけも必然と生まれてきます。

この作業を繰り返すことで、毎日の行動が何に繋がっているのかを意識できるようになりますし、最終的に目標に近づけると思います。

たとえ、目標に届かなかったとしても、その過程で必ず何か成長があります。

細かなところに目を向けることも、高校時代の監督にも言われてきたところなので、個人的にも大事にしてやっていきたいですし、意識して欲しいと思います。

ー本日はありがとうございました。

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