【名前】石津大地
【経歴】桃山学院大学サッカー部主将→福山シティFC#35 →Yonago GenkiSC
「ただいま」
キンキンに冷えた家には誰もいない。
電気代を気にしてエアコンはつけれない。
家でベンチコートを着て寝る。
家の明かりは滅多につけない。
勉強机の小さな電気をつけることがほとんど。
おかげで1ヶ月の電気代は基本800円
「あー、何してんだろう。」
俺は仕事で疲れた体が崩れ落ちるように布団に横たわり、眠りについた。
寄ってらっしゃい、見てらっしゃい。
今回の物語は社会人サッカーを経験して価値観が変わった男の話。男はここで何を感じたのか?新たに出会った野望とは?学生の頃の男はもういない。。。学生の皆さん騙されたと思ってみてみ。。。
物語の世界へようこそじっくり見てってくださいな
現実を見た
学生の頃の夢『サッカーだけで飯を食べて、プロの舞台で活躍する、見ている人に感動、勇気を与える』
今の夢
『サッカーでプロを目指しながら、仕事でも上を目指す。そして仕事でもサッカーと同じ感情を味わう』
去年、地域リーグでほとんど試合に出れなかった。
みんな上手かったし、Jリーグのチーム、JFLのチームと試合をしても互角にやれるレベル。
出れないのは認めたくないけど納得してた。
チームのサッカーに適応してるのは俺じゃない。
地域リーグで試合に出れない俺が本当にプロになって活躍できるのか?そんなことを考えていた。けどいくら考えても『なれる』と思う自分がいた。
けど一方でこんな思いもあった。『現実的に今のまま行くと来年も給料は変わらない。生活きついな』
別に今の仕事、生活に不満があったわけではなかった。
節約することは大学の時からしてたから慣れてたし、寒ければダウンやベンチコートを着て寝ればいいし、暑ければ、裸で寝ればいいし、物欲は大してないし、そうゆうところにお金かけるならサッカーに使いたいからそこに費やした。
けどある日の練習。誰かの何気ない一言が俺の考え方にヒビを入れた。『今お金をサッカーに使うのは全然いい。それでプロになって活躍すれば、何年後かに何倍になって返ってくる。今は我慢』
多分サッカーで上を目指す人ならみんな『そうだ!!』と腑に落ちるだろう。
けど俺は性格のせいか、『もし無理なら?』と疑問に思った。
サッカーしかしてきてないサッカー選手がいざ社会に出たらどうなると思う?
企画書の書き方はわかんないし、メールに失礼があるかどうかもわかんない。
終身雇用ももうあてにできないこの世の中でサッカー引退して、適当に稼げるところで仕事して、何が楽しんだ?そんなことを考えながら、月日は経っていき、ある日こんなことを思う。
『生きてるうちの大半が仕事に時間を奪われている。』奪われている???おかしい。サッカーをしている時間をそんなふうに思ったことはない。なんでだ?そもそも仕事がサッカーみたいな感情でできたらめっちゃおもしろいだろうな、、、と
そんな会社ないな、自分で作るか?けど経営のことも何も知らないし、そもそもそんな時間あるわけないな。サッカー1番だし上手くなるために今はサッカーだけに集中!
プロになるためにこの生活は地域リーガーには仕方ないことで我慢は必要。
とにかくサッカーだけに集中。
けど不安は尽きない。
少なくとも福山から首を切られれば、上のカテゴリーからのオファーはない。当たり前だ。
試合に出てないから、評価のしようが無い。
サッカーだけに時間を費やしてプロを目指す。なんか違う。
もちろん上を目指すし、目指し続ける。
けどサッカーだけに費やすだけでは俺も感情は満たすことができないと気付いた。なんでサッカーやってんだ?
仲間と1つの目標に向かってそれを達成する。それ以上の感情を俺は知らない。それを味わいたくてサッカーしてる。
それなら、サッカー以外の時間もサッカーと一緒で損得感情関係なく喜怒哀楽を表現できる場所で働きたい。と思った。
けどそんな会社なかなかない大人に相談しても『そんな夢みたいなこと言ってないで安定した職場で働いた方がいい。』『そんな職場あったらみんな入ってるよ』
と言われる。
まぁそりゃそうか。そう言われるよな。
『よし、じゃあその環境を自分で作ろう。』前チームから首を切られ、俺は自分で仕事もサッカーと同じ環境を作るために、勉強を始めた。
新たな俺の挑戦が始まろうとしてる。
充実した毎日を過ごすために。ほとんどの人が仕事が1日の大半を占めてる。その大半をめんどくさいとか、生きるためにお金が必要だからという理由だけで、人生おわっていいのか?
俺は嫌だ!人生1度きり。叶えたい未来、なりたい自分になりたいなら今と同じことしてても変わらない。明確になにかを変える必要がある。
サッカーでも仕事でも上を目指す。都合のいい話に聞こえると思う。
だって学生時代の俺にこんなこと言ったら、ぶっ飛ばされると思うから。
『サッカーだけに人生かけないやつがプロで活躍できるか。』『単にサッカーで活躍できなかった時の保険じゃないか。』なんて言われるだろうな。
その葛藤も確かにあった。認める。
けどさじゃあ学生時代の俺よ。本当に4年間サッカーだけに費やせたのか?全てを犠牲にしてサッカーだけに捧げたか?
その自信はある。というより学生時代は好きというよりやらなきゃという使命感に駆られていた。(好きという気持ちもあったが、使命感の方が強かった)
けどその結果うつ病になった。練習場に行くだけで吐き気に襲われる。サッカーなんて好きでやってなかったからだ。
今とは全く違う。
今はサッカーが楽しくて仕方ないし、もっと上手く強くなりたい。
この仲間ときついことも楽しさに変えてこえていける。
学生時代、もったいない時間もたくさんあったのも事実。
TikTokを30分見たり、YouTubeを見たりしてた。
その時間を勉強に変えるだけでも両立できる。
寝る時間を最大限まで削って、勉強しろと言ってるわけじゃない。
サッカー選手としてやることは今まで通り100%やる。そのうえで仕事、勉強も100%する。
簡単なことじゃ無いでしょう。けど簡単なことばっかしてても俺はつまんねー。時間を最大限有効活用。
できるできないじゃない。やるかやらないか。