Arxcs Magazine Vol.28「ベクトルは常に自分へ」

【名前】奥田颯太
【経歴】京都大谷高校→IPU環太平洋大学
【部内での役割】主将

高校時代について

ー大学でサッカーを続けた経緯を教えてください。

そうですね。

1番の理由は、小学生の頃のチームメイトの影響だと思います。

彼は、京都の東山高校で三冠を達成しました。彼以外にも知り合いはいて、彼らが全国の舞台でも活躍している姿を見て、率直に悔しいと感じましたね。

東山は、今話題の鎌田大地選手(現:サッカー日本代表)の出身高校ということもあり、彼も鎌田二世とメディアでも大きくピックアップされていて、一緒にサッカーをしてきた友達がとても遠い存在になりました。

僕は、高校生の頃は全国大会にも出場したことがなくて、サッカー人生で全国大会に出たいという気持ちが大きくなり、大学でも本気でサッカーをやろうと決断しました。

大学サッカーについて

ー入学してからのギャップはありましたか?

レベルの違いは想像以上でしたね。

これまで自分自身が、強豪チームでプレーした経験がなかったため、技術面でこれだけ差があるのかと痛感しました。

カテゴリーも初めは下から3つ目で、これが全体で5番目のチームでした。

だからこそ、試合に出れないという経験も初めてで、今までやってきたこと以上に頑張らないと上の選手たちを追い越すことができないと思いましたね。

ーそのような状況で、成長できたことはありますか?

もう一度サッカー選手として、自分自身を見つめ直すことができたことだと思います。

高校の頃は、自分が一番上手い立場でプレーしていたので、選手としての挫折を経験し、「もっとやらなあかん」と言い聞かせることで、精神的な成長も強く感じています。

ただ、取り組んだことはシンプルで、基礎の見つめ直しなんですよね。

自分を客観的に分析した時に、足りないものが基礎の部分だと感じて、大学サッカーで小学生がやるような練習をするようになりました。

それこそ、リフティングもやりますし、パス練習、トラップ練習も個人的に取り組んでいます。

結局、一番大事になるのは基礎の部分で、ここの差が上に行く人と行かない人の違いだと思います。

※本人提供

主将になる決断

ーでは、主将になった経緯について教えてください。

実は、今年のAチームはキャプテンを作らない方針だったんですよ。

1人のリーダーがチームを引っ張るのではなくて、全員に責任感を与えて、一人一人がリーダーだと思ってやろう、という感じでスタートしました。

ただスタートしてみて、コーチとのやり取りや選手たちへの連絡を自分がやるようになって、結果自分が全部仕切ってやるような状況になりました。

キャプテンをやってくれと言われたわけではないのですが、7割くらいの意思決定を僕がするようになって、結果的に僕しか居ないなという状況になりました。

ー主将としての難しさはありますか?

ありますね。

やはり、IPUのサッカー部は200人居ますし、Aチームでも30人ほどいます。

一人一人考えていることが違うので、人によっては他人の意見を聞こうとしないメンバーもいます。

また、本気でプロを目指している選手もいれば、学費免除があったから来ている選手もいます。

主将になったことで人前で話す機会が増えましたが、チームとして同じ熱量で引っ張るための立ち振る舞いや言動には難しさを感じますね。

これは、実際にこの立場になってみないと分からないことでもあります。

僕自身も、去年までの3年間は主将ではなかったので、先輩が頑張ってくれてることに協力することもありませんでした。

ただ、自分のプレーだけを考えていた立場だったので、今では少し申し訳ない気持ちも大きいですね。

それをまず僕が体現することを心がけています。

※本人提供

大学サッカーの良さについて

ー大学サッカーの魅力について教えてください。

サッカー面でいうと、ライバルが多いことはいいことだと思います。

例えば、IPUであれば、300人の部員がいて、僕のポジション(CB)には、おそらく60人ほどいます。

高校の頃よりも圧倒的にライバルが増えたことで、お互いに切磋琢磨できる環境だと思います。

あとは、大学サッカーのレベルは年々上がってきていて、インカレや総理大臣杯でプロ内定している選手たちが多いチームとも対戦します。

中国地方だけで戦っているだけでは、感じることができないレベルを体感できるので、また個人としてもう一度基準を上げることができるのも魅力です。

これからについて

ー卒業後のビジョンを聞かせてください。

一番の想いは、サッカーに関わり続けたいということです。

その手段として、今考えているのが教員になって、サッカー部の指導者になることです。

教員に魅力を持ったきっかけは、中学生の頃お世話になった担任の先生の影響です。

その先生には、3年間担任としてお世話になり、僕としては色々教えてもらい、自分も将来こんな先生になりたいと思ったことがきっかけです。

ただ、大学を卒業してすぐに教員になるのではなくて、もう少しサッカーを続けたい気持ちがあります。

サッカーを続けるにしても、プロにならない限りお金はもらえないのが現状です。

だからこそ、社会人として働きながらでもサッカーを続けることができれば、また新しい経験ができるのではないかと考えています。

教員になるにしても、一旦社会に出た経験値がある方が信頼性も上がりますし、子供たちにも伝えられることが増えると思います。

なので、卒業後もサッカーを続けて上を目指してやりたいです。

ー最後に体育会学生にメッセージをお願いします。

一番大切なことは、自分にベクトルを向けて考えることです。

大学サッカーになると、多くの経験ができますし、その分苦しい経験もします。

ただ、そのような経験が自分を見つめる機会を与えてくれて、成長することができます。

だからこそ、自分のことについて考える時間は絶対に作るべきですし、その時間が人生について考えることにもなると思います。

自分を知ることや、どんな自分になりたいのかがとにかく大切で、そこを考えるから何が足りてなくて、どんなアクションを取るべきなのかが見えるようになります。

体育会の中で、こういった試行錯誤した経験が社会で必ず生きてくると思いますし、部活と人生両面で生かされてくると思います。

ー本日はありがとうございました。

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